わが会の自慢 私の自慢
作文募集事業 6つの大自慢!
埼玉県熊谷税務署管内納税貯蓄組合連合会
会長 飯島 賢二
1.募集「わが会の自慢、私の自慢」
読者は、納貯関係者の方がほとんどなので、「中学生の税に関する作文」事業についての詳細な説明は省くこととするが、今やこの事業、納貯活動の中心的事業となっている。
令和4年、「納税貯蓄組合法」施行71周年のこの年、作文事業は56回目を迎える。毎年全国524署連すべてが、作文募集事業に応募し、熊谷税務署管内納税貯蓄組合連合会(以下、熊谷署連)は令和3年度の応募総数8,275篇、応募率89.2%の実績を挙げている。とりわけ平成20年、国税庁と共催事業となって以降、全国的にも応募状況が活発化し、益々盛んになってきたようだ。
わが会、熊谷署連は、明確な歴史書は存在しないが、ほぼ50回ぐらい、作文募集事業に参加してきたと聞いている。私が納貯に関わり始めた平成9年の作文応募総数は299編であった。以来25年経過したが、私が会長になってほぼ10年、この間の状況が全く変わったこと、実は、これが今回のテーマ「わが会の自慢、私の自慢」である。
熊谷署連の状況を、平成25年度から9年間まとめたのが下の表である。
直近9年間 熊谷納貯・作文応募状況表 | |||||
年 度 | 管内生徒数 | 応募数 | 応募率 | 全国絢 | 備 考 |
平成25年度 | 10,372 | 8,449 | 81.5% | 1 | |
平成26年度 | 10,421 | 9,111 | 87.4% | 1 | |
平成27年度 | 10,293 | 9,264 | 90.0% | 1 | |
平成28年度 | 10,061 | 9,313 | 92.8% | 1 | |
平成29年度 | 9,716 | 8,816 | 90.7% | 2 | 1位は越谷 |
平成30年度 | 9,403 | 8,676 | 92.2% | 2 | 1位は越谷 |
令和 1年度 | 9,295 | 8,452 | 90.9% | 2 | 1位は越谷 |
令和 2年度 | 9,327 | 8,356 | 89.6% | 1 | |
令和 3年度 | 9,277 | 8,275 | 89.2% | 1 | |
9年間AVE | 9,796 | 8,746 | 89.4% |
熊谷税務署管内納税貯蓄組合連合会調べ
2.第1の自慢は、作文の「応募総数」
自慢その1は、署連別応募総数9年間のうち、全国第1位が6回もあるという点にある。
1回でも全国1位を取るのは難しい中で、6回という実績は異例中の異例であり、圧倒的と言わざるを得ないだろう。更に、第1位を外れた3年間についてはいずれも全国第2位、これもなかなか優秀な順位を保っている。
飯島賢二が納貯に関わった当初、平成9年(25年間前)は、応募総数299篇であったが、昨年は8,275篇で27.7倍に拡大している。また、直近の10年間を見ても 1.32倍と増加しており、限界に近いかなりの増加環境の中でも、ストップすることなく、一歩つづ応募総数を増やしてきている。
3.第2の自慢はその「応募率」である。
生徒数に対する作文応募数の比率が、応募率である。
9年間の平均は89.4%、最高値は平成28年の92.8%となっている。生徒の中にはいろいろな事情で作文を書けない、あるいは書かない子供がいる。これはどこの中学校でも否定できない事実である。だからおそらく、応募率100%はありえないだろう。
そんな中で約93%の応募率は、通常考えられない数値と言っていい。管内の中学生10人集まると、9人以上の生徒が税の作文書いている、この凄さは「半端ではない」といつも自慢している。
この、およそ9割の応募率があったからこそ、対象管内中学校数わずか30校しかないこの地域 が、日本一の実績を誇ることができている、ここが第2の、大きな自慢となっている。
4.第3の自慢は、先生や生徒たちの作文事業に対する熱意である。
応募状況9年間の平均を見ると、9割近い生徒が作文を書いて応募している。
性別関係なく、1~3年生全生徒対象に事業が展開され、先生も、そして生徒たちも作文事業に挑む心掛けをうかがい知ることができる。わが校の先生、生徒、ほとんど全員が作文に関わり、自分の意見を自らまとめ、公表すること、その体験を分け隔てなく経験させるいい機会としてこの事業をとらえていること、まさに実践として証明している。
5.第4の自慢は、作文事業が、地域におけるコミュニケーション創出の絶好の機会になるということである。
それは特に「審査会」において顕著にみられるだろう。
熊谷署連では、学校で事前審査を依頼せず、管内から全作品を集め、審査を行う。慣れない税についての作文を一生懸命書いてくれた中学生の思いを考えると、すべての作品に目を通したい…この気持ちを拭い去ることはできず、熊谷では、ずっとこのやり方でやってきた。
審査会は、第1次から最終審査まで、計4回行う。審査員は、納税貯蓄組合の役員・埼玉県退職校長会大里支部会員・熊谷市PTA連合会、母親委員会・税理士会・法人会・青色申告会会・間税会等納税協力団体の関係者、会議所、商工会等々に審査を依頼、今年度は第1次審査会~最終審査会の4日間で、審査員延べ89名が参加、 最終審査会の審査員は、納貯役員・熊谷税務署・埼玉県熊谷県税事務所・税理士会熊谷支部・熊谷法人会の各代表に委嘱し、55作品のうち 優秀賞、佳作を除き全ての作品を読んで点数付けを行う。
この一連の審査会の過程で、納貯以外、多くの地域コミュニティの方々との連携と協調が生まれ、地域とのコミュニケーション創出の絶好の機会を持つことができるといえよう。
そして、管内3市町教育長・30校の校長先生・税務署長他幹部、納貯役員・各市町税務スタッフが参加し、ビデオやプロジェクターを使用し「作文事業報告会」を納税表彰式挙行後に実施してきた。
これは納貯、税務署、市町税務スタッフ、そして教育関係者を対象とした、唯一の意見交換の場と言って過言でない。管内全市町の教育長、中学校の校長先生30人全員が納貯や税務署、各市町の税務担当スタッフと親しく交流できる最良の場として、毎年盛り上がっている。
この盛り上がりが、第4の自慢である。
6.第5の自慢は、作文事業こそが、効果的、集中的PR活動の手段であるという点にある。
事業そのものの事前PRは、税務署、県税事務所、市役所、町役場等官庁関係広報誌で、もれなく掲載さえる。
審査後は、管内市役所・町役場・百貨店に受賞した中学生・高校生の作文を展示し、埼玉新聞・地元地方新聞・税の専門紙(誌)、ネットニュースなどに掲載してもらう。
八木橋百貨店展示
また、「税を考える週間」に関する行事の一環として、地元コミュニティFM(2社)にて税務署長インタビューの後、熊谷税務署長賞受賞者本人に放送局に来てもらい、朗読・インタビューに答えてもらう。そして納税表彰式において、コミュニティテレビ局にて実況中継を実施している。
7.総括
国税庁において、令和3年度から、内部事務のセンター化がスタートし、令和8年度を目途に進めている。そのため、税務署の管理運営部門がセンターに移行されることから、納貯の自立的な作文募集事業が求められている。そのためには下記の指針に沿うべき活動を目指すべきであろう。
(1) 中学生の「税についての作文」募集事業とは
作文募集事業は租税教育として、最も質の高い社会貢献活動であるところから、地域社会全体で実施していくことが重要である。
(2) 募集について
納貯は、税務署、地方自治体及び関係民間団体と連携し、中学校及び教育委員会に作文募集を依頼する。
(3) 審査について
納貯が主体性をもって審査する。
なお、作文募集事業は、日税連及び全法連が後援団体であることから、地域の税理士会や法人会に協力を依頼するとともに、青色申告会や間税会等にも依頼して協力を得る。
また、上記取組は、多くの地区(署)連が税務団体協議会等の場を活用して実施しているものと聞いている。
(4) 納貯の施策
作文募集事業に限らず、納貯の活動においては“活動する人”が必要なことから、新規組合員の増強運動を進め、特に、若い世代、女性に入会してもらうことが作文募集事業の自立的運営に繋がっていくこととなる。
また、新規組合員を獲得し、会費制の導入により、納貯の財政にも寄与するであろう。
前述したように、作文募集事業は、質の高い社会貢献活動であることから、誇りをもって実施することが肝要である。
以上
※7月5日、「全納連通信」に『わが会の自慢、私の自慢』大募集を掲載しましたところ、早速、埼玉県熊谷税務署管内納税貯蓄組合連合会の飯島賢二会長より、ご投稿いただきました。他の方も原稿をどしどしお寄せください。